連載:環境とエネルギー安全保障

温暖化を防止できる森林整備

皆さん、こんにちは。愛知治郎です。

第2回から暫く時間を頂いていただいてしまいましたが、環境とエネルギーについて、引き続きお話をさせてください。

シェールガス革命により化石燃料が今世紀中に尽きる心配がなくなったことは、エネルギーの安定的な供給においてはよいことです。しかし、地球温暖化の大きな原因になっているCO2の排出量は間違いなく増えます。このことは、国会議員として環境を専門としてきた私にとっては憂うべき、そして、立ち向かっていかなければならない現実です。温暖化は確実に進んでいるし、人類の生存を脅かす可能性が十分にある。深刻な問題であることに間違いはありません。

どうしたらいいでしょうか。確実にいえることは、CO2対策に関しては、パフォーマンスではない、実質的に有効な施策が必要だということです。

そこで考えられる現実的に実行可能な施策の一つは、森林等を整備してCO2の吸収源を拡充していくことです。皆さんは日本の森林に杉やヒノキが多いことをお気づきだと思います。これは戦後の政策で、日本本来の広葉樹の森林を伐採して杉などの針葉樹を植林したためです。

何故そのような政策をとったかというと、針葉樹は生育が早く、かつ高くまっすぐに伸びるので建築材に向いていたからです。空襲による家屋の焼失、戦後の人口急増により、家はいくらあっても足りない時代はそれでよかった。ところがその後、日本が猛スピードで経済成長したことで、円高となり、外国産の木材が安く流通したために、国内の杉林が価格競争力を失い、活用されずに放置されていきました。

実は杉林の放置は防災の面でも問題があります。杉の木の根っこというのは非常に浅いため、地盤がゆるくなってしまうのです。まったく整備していない杉林は雨が降るとその重みで、かえって土砂崩れをおこすそうです。地球温暖化に伴う環境変化により局地的な集中豪雨が起きると、杉林が崩れていく危険性があるのです。

その対応策として、安部政権の経済成長政策の一つである「金融緩和」で是正された今の円安を好機ととらえ、国産杉材を活用するようにどんどん伐採して、その後に日本に本来あった広葉樹林を復活させる。日本の風土に一番合った樹木を植え直すことで、森林をCO2と雨水の吸収源として整備することができるのです。自然災害を食い止める防災プランを通じて、日本の原風景を復活させることができれば、美しい日本を次世代に引き継ぐことができるとし、政府が進めている事前防災を重視した国土強靭化にも貢献できると、私は考えています。(おわり)

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